急遽部長の判断で二軍の僕らの部活が午後からの時間帯になって、あーだりぃと思いながらテニスコートに入りました。「今日の代表者誰？」顧問が言います。皆一斉に僕を見ます。男はつらいよ。
そんなこんなで怒られつつも部活を乗り切り、帰りのバスに乗ったんですけど、そこに私服の部長がいたんですね。驚いて声を掛けると、彼女さんにホワイトデーのお返しをしに行ってきたとのこと。あぁ、なんて愛が深いのでしょうか。ホワイトデーね。大丈夫です。それくらいの知識は僕持ってます。バレンタインデーにもらったチョコの、お返しでしょ？あの返すか返さないか迷うやつ。それを彼女さんに。いいことですね。応援しますよ部長それはそうとして、部長。それだろ。僕らの時間変更の理由。おい部長。
いやー彼女ね。僕も昔は欲しいと思っていた時期もあるんですけど、今は微塵も欲しくありません。いや強がりじゃなくて。よくよく考えたら、面倒くさいことこの上ない。大体会話能力がないから彼女が作れてないのに、何かの拍子で彼女手に入れても会話続かないでしょ。気まずい気まずい。
リア充爆発とか言っている友達を見ると、ふっと鼻から息が出ますね。お前ら未だその次元か、と。リア充も独り身もみんなが笑顔で生きられる、そんな平和な世界を、僕は、心の底から願っているんですよ。で、部長。いや確かにあの時は笑って話を聞いてたけど、内心どうやって起爆させようか考えてましたからね。僕がマルマインだったら迷いなく大爆発してたからね。
あと、部長がいきなり時間変更してきたせいで同じ部活の女子にホワイトデー返せなかったからね。チョコ誰からもらったか忘れてやけくそで女子全員分のチョコレートを買ってきた昨日。紙袋に入れて、「コレ、女子全員に渡しといて」と紙袋を渡して喜ばれるところまでシミュレーションしました、僕の頭のスーパーコンピュータで。部長は気軽に渡せるかもしれないけど、こっちはチョコを返すとか初めてだから死ぬほど緊張したんですけど。
ホワイトデー、いつ渡そうかなぁ。タイミング見失ったなぁ。直接教室行って渡してもキモイよなぁ。いやぁ。まさか渡せないとは。あぁ、スーパーコンピュータ「不覚」。
