学生日記

大学生です。無能って感じのデクです。

僕のチャンス、通学路に落としたりした?

スタスタスタと、薄暗い夜道を、16歳のか弱い男子高校生が歩きます。夕焼け小焼け、とはいいがたい時間帯。何か気配がして、ふと後ろを振り向きました。猫がいました。それだけです。少し風邪気味なのか、咳をしました。ーーー静寂。咳をしても一人。ただそれだけ。

日常生活とは恐ろしいものです。恐ろしいほどに、何もありません。

漫画やアニメだとそろそろイベントの一つや二つ来てもいい頃合いです。それくらい脂ののった16歳なんですが、脂が体からあふれ出ている多汗症16歳なんですが、一向に何も起きません。おーい、ロマンスの神様ー、どの人でしょうかー。

いや、別に恋愛じゃなくてもいいんですよ。何かしらの殺人集団にスカウトされて暗殺者となったりでもいいんですよ。周りがゾンビ化して、僕が何かしらの超能力に目覚めるとかでもいいんですよ。むしろ、早くみんなゾンビ化してほしいくらいなんですよ。

しかし、日常で起こるハプニングといえば、ウェットティッシュが全然ウェットじゃなかったり、水筒の水が漏れてカバンが起びしょびしょになったり、ふりかけが入っていなかったり。これで、どうやって超能力に目覚めればいいんでしょうか。水筒から水が漏れて、何の超能力に目覚めるのでしょうか。

バスに滑り込み、満員バスにいたぶられ、授業を受け、お昼前にトイレに行き、部活をして、帰宅。多分何かしらの要因で一日がループしても、気づかないでしょう。何ならもうループしているかもしれません。URの憂鬱。エンドレス8。

もしかするとこのまま何も起きずに幕が下りるのかもしれません。承も転もないまま、起起起結。それが僕の人生なのかもしれません。桃がドンブラコ、ドンブラコ、ドンブラコ…と流れていきましたとさ、終わり。こんな人生なのかもしれません。おばあちゃん、拾ってあげて。

でもそろそろ危機感を抱いてますよ。前まで「僕はまだ、16だからー」と歌っていたんですが、もう16も後半戦です。キックオフされています。

さぁ前の席のY君、早くゾンビ化してください。もったいぶらずに。宇宙人もそこまで来てるんでしょう?ほらほら、殺人集団も、早く僕のことをスカウトした方がいいですよ。隠密だけは得意なんです。ほらほら、超能力、give me。hey pass me you!

……宇宙人やゾンビが襲ってきたら真っ先に死ぬのは僕なんだろうなっていうのは、うすうす気づいていますよ。あー、僕のチャンス、どこに落としたんでしょうか。