学生日記

学生の、日記です。

日記のようなもの4

青い空、白い雲。みずみずしい向日葵が太陽を見上げている今日、もう、本当に、すがすがしいほどに、遅刻しました。部活に。

1時間30分の世紀の大遅刻に気づいたのは、バス停でした。僕は四日間外に出ていませんでした。今日は久々の部活の日。久しぶりにシャバに出ます。朝起きました。16年生きていたらわかります。今日の日付は火曜日です。なんてすがすがしい火曜日なんだ、こんな火曜日は何年ぶりだろう!火曜日の部活の時間に合わせて、準備を済ませ、外に出ました。火曜日の爽やかな空気の味がします。バス停でスマホを見ました。水曜日でした。

 

スマホを叩いたり、横にしたり、電源を付け直したりしました。水曜日でした。

 

カレンダーのアプリを起動しました。水曜日でした。

 

ゲームを起動しました。水曜日のログインボーナスがもらえました。やったー。

 

 

 

 

 

 

 

 

時間というものは、曖昧なものです。そもそも始まりがわかりません。地球の始まりをゼロとするのか、宇宙の始まりをゼロとするのか、はたまた他の何かの始まりをゼロとするのか。その中で人間が独断で決めたものが、今僕たちが信じている、「時間」です。

現代ですら一日の始まりは別々です。0時から、日没からなど、様々な文化があります。ちなみにクリスマスは12月24日の日没から12月25日の日没までです。

そんな人間が作り出した曖昧な時間にとらわれて、どうしましょうか。たまたま部活に参加する時間が一日の十六分の一ずれただけで、何を不安がる要素がありましょう。日時計で見たら、誤差ですよ、誤差。

バスから降り、学校に着きます。足取りは堂々としています。頭の中で「威風堂々」が流れています。テニスコートに着きました。部員の一人がこちらを向きます。僕は、ゆっくりと息を吸い込み、言いました。

 

「遅れてすいませぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!」

 

顧問が振り向きました。威風堂々が、サビに突入しました。