寒
学生にとって大切な行事は、一般的に3つあります。体育祭、文化祭、そして席替えです。席替えを制した者はその学期を制す。うちのクラスはくじ引き制なので、完全な運のぶつかり合いです。
僕は窓側の席が好きです。窓側の席なら先生にあてられることもなければ、注意されることもありません。窓側の席以外でも全く当てられないので、先生が僕の名前覚えていない説もありますが。
そんな僕の三学期の席替え。友達がどうだほざいている女子もいますが、友達の少ない僕からすれば、席替え後の近くの友達の有無に関しては、ノーダメージです。問題は席。普段から徳を積んでいる僕に神様は微笑んでくれるはずです。ああ、窓側の席よ、こい!
28番
いや、まったく問題はないんです。もともと神様なんて信じていませんし。窓側に行けないのも、想定内でした。
問題は、女子がやたらと声に出している番号が、28番だということです。え、何、なんかあった?
座席表を見て、察しました。女子軍団の真ん中が、28番だったのです。そして、その女子軍団が全員仲良さげ。28番が仲のいい女子だったら、仲良く喋れていたわけです。
おい神。どうしてくれんだよ。ほら、めっちゃ落ち込んでるよ、あの人たち。ごめんって。あれ、なんか一人こっちに近づいてきてない?え、交渉されたんだけど。席変わってくれない?って交渉しに来たんだけど。無理だって、席もう決まっちゃったし。いやほんとごめんって。
授業が苦行です。みんな僕の周りでしゃべっています。休み時間になると僕の席占領されています。我が物顔で僕の椅子動かしてるし。
僕はというと、ひたすら無言。おかげで黙々と勉強に集中できます。周りの女子のせいで数少ない友達も寄ってきません。だって、占領されてるし。
最近は寒いですね。気温も、僕の学校生活も。僕の席の周辺は、いつもよりにぎわっていて、暖かそうです。そこに僕はいませんが。